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田中甲元衆議院議員が東国原英夫 元宮崎県知事と地方自治を語る
「災害時、国との連携重要」
【田中甲】
「宮崎をどげんかせんといかん」というフレーズで2007年1月、”しがらみの無さと無党派”を掲げ、宮崎県知事に当選し、衆議院議員にもなられた東国原英夫氏。「政治家とお笑い芸人」という小学校時代の夢を果たされました。県知事などのご経験を通して、投票率の低迷解消や国と地方との連携などについて、お話しをお聞きしたいと思います。

【東国原氏】
国内で投票率が低迷していますが、国政選挙でも50%前後と総じて低く、地方選挙では30~40%、民主主義が成立していないといえます。2007年の宮崎県知事選挙では64%ありました。今は、特に若い世代が投票に行っていません。投票率を上げるためには、SNS・ネット選挙を駆使することが必要です。また、投票所を数多く設けたり、論点や候補者の質を上げる努力を日夜しなければなりません。

【田中甲】
本来は、国政より身近な地方選挙の方が投票率が高くならなければならないはずです。国政は議会中継がお茶の間に流れますが、市議会の中継もお茶の間に届くようにしなければならないと思っています。つぎに、東国原さんのように行動力があり、問題意識の高い方の存在です。少しでも政治に関心をもってもらうために、3月の市長選挙では、人口約50万人となる市川市の辻々に立って、まずは市民の声に耳を傾けていきたいと思います。政策をしっかり伝えることも大切ですね。

【田中甲】
国と地方の連携についてお聞きしたいと思います。県と国が連携するのに壁やハードルはありましたか?また、宮崎県のセールスマンとしてマンゴーや地鶏の売り込みに成功されましたが、売り出しのポイントやコツについて教えていただけますか。

【東国原氏】
災害が起きた時は国と地方の連携が極めて必要だということです。一つだけ例を挙げると、私は2007年に宮﨑県知事に就任しましたが、2009年に政権交代があり、2010年には宮崎県内でウイルス性の家畜伝染病の口蹄疫が広がりました。その時は民主党政権で政治主導でした。口蹄疫問題は厚生労働省などさまざまな役所と連携しなければなりません。2010年5月末、当時の鳩山由紀夫首相からホットラインで「大丈夫ですか。あす宮崎を視察します」と連絡をいただきました。当日、県庁前で「国は口蹄疫対策に全力を尽くします」と約束していただき、とても嬉しかったことを覚えています。しかし、翌日、鳩山首相は辞任され、菅首相に交代したのです。。。口蹄疫関連の法律は昭和26年以来改正されていませんでした。非常時でしたから、私は全責任を持って見えないウイルスの封じ込めや感染の拡大防止に取り組みました。この時、国と地方の連携がいかに重要か痛感しました。

【田中甲】
江戸時代中期の名君・上杉鷹山に「一人よく国を興し、一人よく国を亡ぼす」という言葉があります。この上杉の言葉から「何よりも人が大事なんだ」と感じています。市川市は中核市となり独自の保健所を持つことを検討していますが、今の市川市長は千葉県知事と密接な連絡を取り合っていません。まずは、市が県と連携することが不可欠です。現在市川市内にある県の保健所に市の職員を派遣するなどして、人と人との繋がりを大事にしていかなければならないと思っています。

【田中甲】
350年前に私の祖先がこの地にやってきました。私自身とても思い入れのある町・行徳の再開発にはどういう問題点があるか?また、生まれ育った市川市をどうやって売り出すか?など日々考えを巡らせています。私は1993年の衆議院議員選挙で当選しましたが、同期には岸田首相、安倍前首相、枝野立憲民主党前代表などがいます。当時の人脈や経験を最大限に活かし、まずは荒れてしまった市川の市政を安定させ、生まれ育った市川のために全力で恩返ししたいと思っています。
ところで、東国原さんは、女性が住みやすい街・女性活躍社会については、どうお考えでしょうか。

【東国原氏】
女性活躍社会という言葉自体がおかしいと思います。日本は本当に遅れています。政治家は議員を男女同数にするという制度を作るなど努力してほしいですね。私はクオータ制(女性割り当て制度)の賛成論者です。国会や地方議会がそういう制度を目指すのは当たり前のことです。

【田中甲】
女性の力を活かしていかないと日本の発展は考えられません。私が市長ならば、女性施策を考えるセクションを作りたいと思っています。それには男性の理解が必要です。つまり父性と母性のバランスが重要だと思います。

【司会】
最後に、地方自治の首長として活躍された東国原さんから、田中さんにアドバイスがありましたら、お願いいたします。

【東国原氏】
市民の方とはコロナ禍で集会や面談もしづらい時期ですが、政治は市民の皆さんと同じ空気を吸って、愚直に政策や情熱を訴えかけるしかありません。
私が最初に選挙に出たのが2007年1月4日で、人生をかけた大きな勝負でした。
その時の思いをテレビ番組「プレバト‼」俳句コーナーで「片襷(かただすき)硬し四日の身を通す」と表現し、第一位の賞をいただきました。
この気持ちをいつまでも大切にしています。
市民の方と共通の気持ちを持ち続けることが、地方自治の本当の姿だと思います。
今後のご活躍を祈念いたします。